この度、名古屋において第29回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会を開催する機会をいただき、大変光栄に思っております。会員の皆様に心から感謝申し上げます。

 さて、今回のテーマは「光と麻酔・集中治療」とさせていただきました。<光>とは、狭義の意味では可視光をさしますが、自然科学では電磁波の一種としてとらえて赤外線や紫外線をも意味します。さらに宗教や哲学の世界では、<光>は太陽と結びつけられて超越的存在を意味することがありますし、仏教では仏の慈悲の象徴とされます。<光>と聞くとどこか温かいイメージを誰もが抱くのではないでしょうか。
 もちろん、私たちの麻酔・集中治療の現場では、<光>は科学として使用されており、関連機器に光を使用していないものはほとんどないと思われます。しかしながら、その原理を十分に理解し、その利点と欠点を認識しながら使用しているかと問われれば、100%とは言えないのではないでしょうか。そこで、本学会では光を使用したテクノロジーの原理や意義に迫ってみたいと考えております。現在、特別講演2題、ランチョンセミナー、ならびに一般演題を計画しております。先生方の活発なご討議をぜひお願いいたします。本学会が麻酔・集中治療関連テクノロジーの<未来>を照らす<光>となれば幸いでございます。

 12月2日(金)の評議員会と懇親会は名古屋の中心街で行い、学会は名古屋市立大学病院で開催するため、会員の皆様にはご不便をおかけしますが、どうかお許しいただきたいと存じます。懇親会は名古屋の歴史的な建造物の中でイタリアンをお楽しみいただきたいと考えております。多くの先生方のご参加を心よりお願い申し上げます。では、冬の名古屋でお待ちしております。

第29回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会
会長 祖父江 和哉
(名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野 教授)